Column理想的なwork40代独身・非正規社員のこれからの「キャリア」と「転職」について~厚生労働省の適職診断ツールを活用してみて。

40代独身・非正規社員のこれからの「キャリア」と「転職」について~厚生労働省の適職診断ツールを活用してみて。

職業選択には、自身を客観視することと、職業を選択するための❝コンパス❞が大切かと。

私の「仕事」は契約書で「仕事の範囲」と「契約期間」が定められていました。

私のキャリアは、非正規の派遣社員として、データ入力の仕事から始まりました。
私が就職活動を行いました2000年代前半は「就職氷河期」と呼ばれる程、就活生にとっては「内定」を獲得することがとても難しい時期でした。
そのような就職環境の中で、30社以上の採用試験に臨むも、すべての会社から「不採用」通知が届き、私は已むなく派遣会社に登録して、大学卒業後すぐに派遣社員として働き出したのです。

派遣契約は6カ月間でしたが、更新、更新を重ね、気がついた頃には派遣社員のまま30代になっていました。
30代になってから、ずっと派遣社員として派遣されておりました「派遣先」企業の非正規社員として「直接雇用」され、非正規雇用のまま40代の現在に至ります。

大学を卒業してすぐの派遣社員の私に割り当てられた「業務」=仕事は、データ入力でした。
社会人としての研修や教育を受けていない私でも数日で覚えられる❝簡単❞な「仕事」でした。
その❝簡単❞な仕事を行う派遣契約を30代まで6カ月ごと「更新」し続け、直接雇用の非正規社員となってからも、ほぼ同じ内容の「仕事」を40代の現在でも行っています。

私のこれまでのキャリアは、「仕事の範囲」と「給与額」(時間給)と「契約期間」(労働契約期間)が明確に定められた世界で培ってきました。
派遣社員と非正規社員(限定社員)は、時給○○○円で、(例えば)データ入力の業務を、○ヵ月契約で、8時30分~17:30分まで行う、としっかりと定められていました。

40代になった私の職業上の悩みは、職務経験の狭さと浅さ。

40代の今になって、
これまでのキャリアのどこかの時点で、期間の定めのない雇用≒正社員に転職し、
より難しい仕事を与えられる環境に移ることで、幅と深さのある職務経験を積んでおけば良かった、
と思っています。

私が歩んできました派遣社員と非正規社員のキャリアでは、
雇用期間が(労働法との関係もあり)比較的短いスパンで区切られているため、会社が費用を負担して教育訓練を施さなければ遂行が難しいような仕事は、与えられることはありませんでした。
社会人をスタートさせた時の「派遣契約」で定められておりました❝簡単❞な「仕事」を、変わらない給与水準(時間給)で、私は20年近く続けた結果、とてもとても狭い範囲の職務経験しかない40代となってしまいました。

将来的な大きな不安としては、このままの給与水準のまま定年を迎えた場合、「老後の資金」が70代前半で尽きてしまう可能性が高いことです。
(詳しくはここに書かせて頂きました。「独身アパートで一人暮らし、しばらくはこのままの生活が出来そうですが、❝老後❞の『お金』が気掛かりなことも。『老後の資金2,000万円必要問題』に思うこと。」)

「これから」のキャリアを考える上で活用できるサイト『jobtag』

これまでの人生は変えることができませんが、「これから」は変えられる可能性はゼロではありません。
40代前半としては、とても貧弱に思えるこれまでの職務経験ですが、給与水準を上げること、そのためには転職を含む、これからのキャリア形成を少し考えてみたいと思います。

私が【仕事】の悩み相談で活用しているのが、
厚生労働省が運営しております職業情報提供サイト(日本版O-NET)『jobtag』です。

この職業情報提供サイトは、約500の職業の解説や、その職業に求められる知識やスキルをデータで示すことで、職業情報を「見える化」し、求職者・転職者の職業選びの❝方向性❞を定めるサポートをしてくれるものです。

ちなみに名称に「日本版O-NET」とあるように、「O-NET(Occupational Information Network)」=職業情報ネットワークは、アメリカ労働省が運営する約1,000の職業について解説しているサイトであり、「日本版」の❝お手本❞となった取り組みです。アメリカでは1990年代から職業と、その職業に求められる知識やスキルを明らかにして、求職者に伝える取り組みを始めておりました。
日本では、アメリカでの取り組み開始から約20年後の2020年3月に「日本版O-NET」として、取り組みを始めました。

2022年10月現在、職業情報提供サイト(日本版O-NET)「jobtag」には、職業の種類に知るだけではなく、興味・価値観から適職を検索したり、これまでの職業経歴で得られた知識・スキルを活かせる職業を抽出させたり、ある職業に必要な知識・スキルを確認する、といった使い方もできます。

私のおすすめのコンテンツ「職業興味検査」

参考までに、私が「jobtag」の中でも職業選択の際に(転職に際しても)、とくに活用したいと思うコンテンツを記しておきます。
・職業興味検査
 → 仕事に対する「興味」から適職を検索できます。
・価値観検査
 → 仕事に対する「価値観」から適職を検索できます。

実際に、40代の私が「老後の資金問題」も見据えて、これからのキャリアを考える❝コンパス❞として、「jobtag」の「職業興味検査」を行ってみたところ、「あなたの特徴」には相当偏りがあることに気がつきました。
私が職業上で高い興味を示しているのは、
「定まった方式や規則、習慣を重視したり、それに従って行うような仕事や活動が好き」(スコア71.43)に集中しているようです。

大学を卒業してから40代の今日まで、ずっとデータ入力という事務の仕事しか経験してこなかったことが、現在の職業への興味に明確に表れていることが分かります。

出典:「職業情報提供サイトjobtag」より転載

そして、かなり偏った私の職業への興味から紹介された「適職」は、
・検察事務官
・国家公務員(行政事務)
・秘書
・鉄道車掌
・駐車場管理
となりました。

出典:「職業情報提供サイトjobtag」より転載

私の「興味」から紹介された職業の中では、「秘書」が「これはあるかも」とピンときました。
これまでは、データを入力する、という「仕事」で契約をしてきましたが、それに加えて、「企業や団体の社長や役員など幹部が職務に専念できるように、幹部を補佐する様々な仕事を行う」ことも「やってみたい」と興味をそそられました。

「jobtag」では、さらにこの「秘書」という職業の詳細を調べることもできます。
「jobtag」によれば、「秘書」という職業のタスクには、
電話の対応する、来客の取次ぎと応対をする、書類のファイリングをする、郵便物、FAX、電子メールなどに目を通し、重要度に応じて振り分ける、といったものがあるようです。

電話対応、来客応対、書類のファイリング、郵便物等を振り分ける、
これらの仕事は私もトレーニングを積めば行えそうです。



「秘書」になるには、実務技能検定協会の「秘書検定」取得することも一つの方法のようです。

「秘書」は、全国では340万人ほどおり、
賃金の平均は532.9万円、
平均年齢は43.4歳のようです。

一つ気掛かりなのは、
有効求人倍率は、0.39倍と、「秘書」になるためにはとても「狭き門」をくぐらなければならないようです。



厚生労働省が運営しております職業情報提供サイト(日本版O-NET)「jobtag」は、
カウンセラーがクライエントの職業選択のための基礎資料として活用したり、
個人が転職を含む選択の際の❝コンパス❞としても使えます。

国が運営しているサイトですので、すべて無料で活用できるところも魅力的です。

私も自分の職業選択の「幅」を広げるためにも、
さまざまな事柄に興味関心を広げていきたいと思います。


【文中の引用・参考文献】
・「職業情報提供サイト(日本版O-NET)『jobtag』」厚生労働省

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プロフィール

学生時代に想い描いていた人生は、自分の社会的な存在価値を表してくれるような❝しっかりとした❞会社に就職して、20代で結婚し、30代で家族に恵まれ、子育てや家庭生活と仕事を両立させる、そのような「理想的」な生活。 しかしながら、現実は、「理想」とは程遠く、新卒者として臨んだ就職活動に❝失敗❞し、非正規社員として社会人をスタートし、学生時代からのパートナーと別れ、友人たちとも疎遠となり、20代後半から「孤立」し始め、30代はずっと「孤独」な生活を過ごすことに。 「孤独」の痛さや、孤独の中で毎日働く「虚しさ」を10年以上経験する。 40歳で「前向きに」生きることを決意し、カウンセラーの資格を活かし、自分と同じような「孤独」と「仕事」に不安と悩み、虚しさを抱えた方々に、ナラティブ・アプローチ(『語り』を通じた問題解決)を用いて、寄り添う活動を行っている。

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