Column理想的なlifeひとときの❝触れあい❞と癒しを求めて「ねこカフェ」へ

ひとときの❝触れあい❞と癒しを求めて「ねこカフェ」へ

触れても反応は薄いですが、そっと触れさせてくれるねこ達に一時の癒しを頂いています。

❝触れあい❞を求めてねこカフェへ

私の休日は自分で❝イベント❞を考えて、出掛けます。
❝イベント❞の多くは、
歴史や文化の香りがする場所に出掛け、その場所に❝あえて❞訪れる❝分かっている❞40代をセルフプロデュースしています。

40代独身で一人暮らしで無趣味の私の休日は、
「家族」にまつわる予定もなく、
「友達」にまつわる予定もなく、
「地域」に関連する予定もなく、
「趣味」に関連する予定もありませんので、
基本何も予定はありません。

独りの休日をいかに意義深く、愉しい時間にするかが大切になってきます。
30代までは、一人アパートでほぼひきこもり生活をしておりました私にとっては、
40歳になって、「前に向き」な気持ちで、休日に一人で訪れる場所を楽しみながら考えるようなっただけでもシンポと思っております。

平日に❝意義深い❞場所を探し、休日に40代になりさらに重くなった腰をがんばってあげて、出掛けておりますが、たまに❝意義❞は置いておいて、❝触れあい❞を求める休日もあります。

それは、ねこカフェです。

私もペットを飼いたくても、飼えない人の一人

ある調査によりますと、
40代女性の74.1%、男性は72.3%がペットを飼うことを好きな方と考えているようです。

7割を超える40代がペットを飼うことを好意的に考えているようですが、
実際にペットを飼っている40代は37.2%となりまして、
さらに私のようにアパートでペットを飼っているのは19.3%と、
2割を下回っています。

ペットを(実際には)飼っていない理由としては、
「十分に世話ができないから」が最も多く46.2%、
「アパートなどで禁止されているから」が25.2%でした。

飼われているペットの種類では、
犬が58.6%、
ねこが30.9%、
魚類が19.4%、
と犬と猫を飼っている方が高いようです。

ペットを飼うことの「良い」点としては、
61.4%の方が「生活に潤い安らぎが生まれる」点が良いと考えておられるようです。

私もペットを飼うことは「好き」ですが、
アパートで一人暮らしの私には、
たしかに「十分に世話」をしてあげられそうもありませんし、
アパートでペットを飼うことは禁止されています。

もし私がペットを飼えるなら、ねこを飼いたいと思います。
ねこが傍にいてくれたら、
きっと「生活に潤いと安らぎが生まれる」と私も思います。

ねこカフェのねこにとっては毎日の生活がお仕事

週末訪れるねこカフェのねこ達は、
ねこの方から近づいてきてくれることは余りありません。
毎日、さまざまな人たちに囲まれている生活をしているねこ達にとっては、
来店する多くの人たち一人ひとりに特別な興味は沸かないのでしょう。

私はねこカフェで生活しているねこの中でも、体の大きなねこが好きです。
体の大きなねこに触れるとほっとします。
癒されます。

体の大きな子の隣にそっと座り、少し時間を置いてから、そっと触らせてもらいます。
ねこカフェでは、触れてもあまり反応を示してくれるねこは少ないような気がします。
人に触れられることが生活の一部になっているからなのでしょうか。

かといって、触れられた瞬間に逃げてしまうねこもあまりおりません。
人のことは好意的に感じていても、子猫のようにははしゃがないだけなのでしょう。

40代独りの生活は孤独です。
自分なりに、人生に意義を刻もうと活動を始めてみましたが、
ふと自分が孤独であることに引き戻されてしまう時間があります。

反応は薄くても、そしてあまり喜ばれもしなくても、
なにかに触れていたいと思う時があるのです。
私はねこカフェのねこ達に癒されています。

さまざまなモノがサービスとして提供される社会

今の社会は、
私のようなペットを飼えない人にも、ねこと触れ合える場所を提供されるサービスがあります。
ほんの僅かなお金で一時でも心の充実を得られるので、
私は休日にありがたくこのサービスを使わせて頂いております。

あらゆる「こんなことができれば良いのに」というものが、
サービスとして提供される社会です。
「孤独な人」向けに一緒に時を過ごしてくれる❝サービス❞もあるようです。

ねこカフェのねこ達も、毎日そっと触れてくる人のことをどのように思っているかは知る術もありませんが、
「孤独な人」向けに一緒に時を過ごしてくれる、という有料のサービスを提供してくれる「人」は、サービスを利用される「孤独な人」のことを、どのように思っているのでしょうか。

有料サービスを提供してくれる「人」は、
「孤独な人」とサービス=仕事として時間を共にして、サービス=仕事が終われば、
ご自身は「あたたかい家庭」に戻られるのでしょうか。

そして「孤独な人」は、❝サービス❞の時間が終わってしまえば、
また一人孤独な生活に戻ってしまうのでしょうか。

そんなことを思ってしまう私の孤独の癒しは、
ねこカフェのねこ、なのです。


【文中の参考・引用文献】
・「動物愛護に関する世論調査」内閣府(2010)

Author's Profile

プロフィール

学生時代に想い描いていた人生は、自分の社会的な存在価値を表してくれるような❝しっかりとした❞会社に就職して、20代で結婚し、30代で家族に恵まれ、子育てや家庭生活と仕事を両立させる、そのような「理想的」な生活。 しかしながら、現実は、「理想」とは程遠く、新卒者として臨んだ就職活動に❝失敗❞し、非正規社員として社会人をスタートし、学生時代からのパートナーと別れ、友人たちとも疎遠となり、20代後半から「孤立」し始め、30代はずっと「孤独」な生活を過ごすことに。 「孤独」の痛さや、孤独の中で毎日働く「虚しさ」を10年以上経験する。 40歳で「前向きに」生きることを決意し、カウンセラーの資格を活かし、自分と同じような「孤独」と「仕事」に不安と悩み、虚しさを抱えた方々に、ナラティブ・アプローチ(『語り』を通じた問題解決)を用いて、寄り添う活動を行っている。

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