Column理想的なlife「結婚はしない」と虚勢を張ってみても、現実は「結婚できない…」

「結婚はしない」と虚勢を張ってみても、現実は「結婚できない…」

「出会い」のきっかけは多いようで、そう多くはない、のかもしれません。

「一生結婚するつもりはない」人は少数、9割近くは「いずれ結婚するつもり」

ある調査によれば、18~34歳の未婚者(独身者)で、
「いずれ結婚するつもり」と考えている女性は89.3%、男性は85.7%、
と9割近くの未婚者(独身者)はいずれは結婚する意思があるようです。

一方で、「一生結婚するつもりはない」女性は8.0%、男性は12.0%と少数にとどまっております。

このアンケートでの調査対象は34歳まで。
とりあえず40代で未婚者(独身者)の私がこのアンケートに今答えるとすれば、
「いずれ結婚するつもり」にチェックをします。

40代となった今でも私は❝できることならば❞結婚したいと思っています。
やはり40代で独身は、孤独ではあります。
なんとか努力をして休日には一人で出掛けるようにしていますが、ホントは誰かと出掛けられたら、もっと景色がキレイに見えるかもしれない、と思うこともあります。

意義深く愉しい人生を送ることを念頭に置いて、知的で文化的と思う場所やイベントに一人で参加していますが、もし理解し合える誰かと一緒に行くことができれば、訪れた場所の「意味」をより深められるかもしれない、と思うことがあります。

振り返れば、一人暮らしを始めたのは大学への進学と同時期ですので、もう20年以上同じアパートで一人で生活をしております。
同級生だった独身者も多くは30歳までに「家庭」と「家族」を築いていき、時間の優先順位は「家族」に移っていきました。
アパートで一人暮らしの私には「地域」との関わりもありません。
派遣社員として社会人をスタートさせた私には「同僚」「仲間」と呼べるような親しい人も出来ませんでした。

少なくとも30代になった頃から、私の人間関係は希薄化し続け、孤独が「普通」の状態になってしまっていました。

独身でいる理由は「適当な相手にめぐり会わない」が最多

また調査では、結婚するつもりのある25~35歳の未婚者(独身者)に、独身でいる理由を尋ねたところ、
女性男性ともに「適当な相手にめぐり会わない」が最多となったようです。
ちなみに、独身でいる理由を「適当な相手にめぐり会わない」ためと答えた女性は51.2%、男性は45.3%でした。

確かに私も独身でいる理由を尋ねられた場合、「適当な相手にめぐり会わない」と答えると思います。
「出会いがない、というのは、出会う努力をしていないからでは…」とやんわりと心に突き刺さる言葉を投げられたこともあります。
「出会う努力」、これが私にはハードルが高かったのです。

交際相手、また夫婦が出会ったきっかけで多かったのは

さらに調査では、未婚者(独身者)が交際相手と「出会った」きっかけについて尋ねており、
未婚の女性の交際相手との出会いのきっかけとしては、
「学校で」23.7%、
「職場や仕事で」21.5%、
「友人・兄弟姉妹を通じて」20.9%、
「サークル・クラブ習いごとで」7.2%、とのことです。

ちなみに、夫婦が出会ったきっかけとしては、
「友人・兄弟姉妹を通じて」30.8%、
「職場や仕事で」28.2%、
「学校で」11.7%、
「サークル・クラブ習いごとで」4.8%、となったそうです。

私にもかつては「学校で」出会った交際相手もおりました。
社会人になってからは、「友人」を通じてのきっかけもなくはなかったのですが、結婚には至りませんでした。

「職場や仕事で」の出会いはまったくありませんでした。
職場での人間関係は、派遣社員同士では話をするのですが、派遣先で職場の人たちの「一員」とはなれませんでした。
職場での人間関係は、はじめから「そういうもの」と理解し、職場という空間を共有する人たちという感覚でした。

私には「職場や仕事で」のきっかけは社会人1年目からまったくなく、
30代になりますと「友人」を通じてのきっかけもなくなり、
とくに趣味もなかったため「サークル・クラブ習いごと」を通じたきっかけもありませんでした。

おそらく「出会う努力」と見なされる交際相手のきっかけとしては、
「サークル・クラブ習いごとで」(未婚女性7.2%、未婚男性6.2%)、
「見合いで」(未婚女性0.4%、未婚男性0.7%)、
「結婚相談所で」(未婚女性0.5%、未婚男性0.4%)、
と思われるのですが、いずれの出会いのきっかけも、他のきっかけと比べますと非常に少数ということが分かります。
ほぼ無趣味だった私には「サークル・クラブ習いごと」への参加は勇気がでませんでした。
お見合いも、結婚相談所に伺うのはハードルが高かったです。

「あえて結婚しないです」と虚勢を張ってみても、やはり孤独な気持ちは

40代になってからは本当にごく稀に、
「なぜご結婚されないのでしょうか?」と遠回しに尋ねられることがあります。
その際の答えは、
「一人暮らしが長かったので今更結婚して誰かと生活を伴にするのが窮屈なので、
 あえて結婚しないのです」と虚勢を張ることもあります。

ですが、現実は、
「適当な相手」に、
「職場や仕事」、「友人」、「サークル・クラブ習いごと」で出会うことが「できない」のです。
本当はできることであれば、独身という孤独から抜け出したいとは思っているのです。

最後に調査によれば、
「生涯を独身で過ごすというのは、望ましい生き方ではない」に、
「賛成する」未婚女性が58.2%もおられるそうです。

生涯を独身で過ごすことは「望ましい生き方ではない」と思われている方が、
6割程度もおられることは、とても心苦しい気持ちです。
「結婚しない」のではなくて「結婚できない」のですから…。

さて、変え難い現実をすべて受け止め、それでも人生を愉しもうと思います。


【文中の参考・引用文献】
・国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2017)

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プロフィール

学生時代に想い描いていた人生は、自分の社会的な存在価値を表してくれるような❝しっかりとした❞会社に就職して、20代で結婚し、30代で家族に恵まれ、子育てや家庭生活と仕事を両立させる、そのような「理想的」な生活。 しかしながら、現実は、「理想」とは程遠く、新卒者として臨んだ就職活動に❝失敗❞し、非正規社員として社会人をスタートし、学生時代からのパートナーと別れ、友人たちとも疎遠となり、20代後半から「孤立」し始め、30代はずっと「孤独」な生活を過ごすことに。 「孤独」の痛さや、孤独の中で毎日働く「虚しさ」を10年以上経験する。 40歳で「前向きに」生きることを決意し、カウンセラーの資格を活かし、自分と同じような「孤独」と「仕事」に不安と悩み、虚しさを抱えた方々に、ナラティブ・アプローチ(『語り』を通じた問題解決)を用いて、寄り添う活動を行っている。

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