40代私の❝お一人さま❞のお出かけ先は、歴史的で、文化的で、知的な場所。
40代独身の私は休日に❝お一人さま❞で出かけ、楽しい一日を過ごすことを心掛けています。
40代の私が一人で出かける行先は、歴史的で、文化的で、知的な場所です。
一人の人生を自由に楽しむ、と心に決めましたものの、
20代の頃のように「ただただ」楽しいテーマパークを訪れて、思いっきりはしゃぐ…という楽しみ方は今の私には難しく、
40代が一人で訪れても情景に溶け込めるような場所を選んでおります。
誰も私が休日にどこで、何をしておりましても気にも留めないと思ってはおりますが、
私としては、
「あの方は独身ですが、知的で、文化的な生き方をされており、充実している人生に見えます」、
と思われたい気持ちがどこかにあるのです。
30代の頃の私は実際、
「独身で、友だちも親しい人もおらず、孤独で、週末は毎週アパートで一人過ごしている寂しい人」、
だったこともあり、
40代では「失われた10年」を取り返したいと思い、努力して重くなった体を動かすようにしております。
晴れたのを確認してから「ファン・ゴッホ」デジタルアート展へ
❝お一人さま❞の休日のお出かけは、身軽なものです。
誰とも予定を合わせることなく、自分一人の気持ちと「天気」しだいで、いつでも出掛けられます。
天気予報によれば、午前中は雨、午後からは晴れの予報。
たしかに雨の一日のスタート、そして昼過ぎにはすっきりとした青空が広がりました。
「よし、出掛けよう」
行先は、既に下調べをしておきました、
角川武蔵野ミュージアムで開催されております「ファン・ゴッホ—僕には世界がこう見える—」展です。
この企画展は、
1100㎡余りの大きなグランドギャラリーを360度活用して、フィンセント・ファン・ゴッホの著名な作品を34台のプロジェクターを組み合わせて、デジタルアートとして投影するもののようです。
世界中の多くの人が偉大な画家として讃えているゴッホの作品を、
最新のデジタル技術を用いて、新たな作品として命を与えられましたアート展、
デジタル技術と世界有数の絵画の融合、
これはとても知的で、文化的な香りがします。
アート企画展が開催されております角川武蔵野ミュージアムは、埼玉県の所沢市にあり、
JR武蔵野線東所沢駅から徒歩10分程です。
私は❝お一人さま❞の利点を活かして、雨があがったことを確認して、青空の下で電車に乗り込みました。
最寄り駅の東所沢駅からは徒歩10分程で角川武蔵野ミュージアムに着きますが、
その途中の歩道には、角川作品を代表するキャラクターが点在しており、少しづつ期待感が高められていきます。
写真の「ガンダム」「アムロ」のデザインのマンホールが駅から向かって歩き、ミュージアムに抜ける道のちょうど曲がり角に設置されておりました。
以前も一人で訪れました角川武蔵野ミュージアムに2度目の訪問です。
再訪ではありましたが、初見と同じように隈研吾氏デザインの建物の斬新さと迫力に圧倒されます。
非日常空間が広がっています。
最新のデジタル技術と世界的な名作の融合に圧倒される。
企画展が開催されていますのは、1階のグランドギャラリーです。
ロビーがあります入り口は2階ですので、階段で降ります。
チケットQRコードを係の方に見せて、薄暗い通路を少し進みますと、
異空間が広がっておりました。
かなり広い平面すべてにゴッホの作品がデジタルアートとして繊細に映し出されています。
イヤホンをつけますと女性の優しい声で、ゴッホの作品と生涯が解説されています。
予備知識がなくとも360度映し出されています絵画に込められた意味と、絵画が描かれた時のゴッホの生活や心の動きを教えてもらえます。
音楽も素敵です。
作品を目で見ることで巻き起こるさまざまな感情が、音楽を同時に聞くことで、何倍にも増幅されて、波打つ感覚にまで高められます。
正面のスクリーン、左右のスクリーン、足元にまで映し出される作品に、
絵画をそのまま観る感覚とは異なるの作品への没入感を「体感」できます。
静かな美術館で愉しむアートが「静」だと仮定しますと、
このデジタルアート展の愉しみは「動」という印象を私は受けました。
心が揺さぶられるアート展でした。
心が晴れやかになりました。
私には芸術の価値が分からなくても、歴史を超えて称賛される芸術には何かが「宿っている」はず、だと。
私は決して美術やアートに造詣がある訳ではありません。
むしろ40代までは「教養」とは無縁の生活をしておりました。
30代までのさまざまなものに対する無関心、無気力だった自分の人生が、
「かわいそう」と思えるほど、孤独で無味乾燥とした約10年を過ごしてしまったからこそ、
40代の今は、積極的に文化、歴史、芸術に触れています。
フィンセント・ファン・ゴッホの作品の素晴らしさを、理解できている訳ではありません。
ですが、ゴッホの没後130年余りが経過した今でも「名作」として世界中から讃えられているということは、「本物」の芸術なのでしょう。
「本物」の芸術には、時代を超えて伝えられる何かしらの「メッセージ」が存在するのでは、と思っています。
その「メッセージ」のどこかで、
孤独で、一人生きていく意味に出会いたい、とも淡い期待をしております。
ゴッホは37歳という短い生涯を過ごされたようですが、
その間、複数の女性に求婚しては断られ、
同じ画家のゴーギャンと共同生活をしたもののうまくいかず、
晩年は病院に収容されるなど、
人生の中で困難な時間も多かったように思えます。
その困難に直面している間にも作品が生み出されており、
ゴッホの人生の背景を学んだ上で、
観る作品に、何か「メッセージ」があるのではないかと思うのです。
つねに❝お一人さま❞の私ですが、
それでも、芸術や歴史や文化を愉しみながら、
人生の意味についてもゆっくりと考えてみたいと思うのです。
ずっと感動と充実感に包まれた休日を過ごせました。
楽しく意義ある時間を過ごし、心が充実で満たされ、ミュージアムの外に出ますと、
ミュージアムは「夜の顔」になっていました。
ライトアップされ、とても幻想的な雰囲気になっております。
この昼とは異なる幻想的な雰囲気も見入ってしまいます。
ミュージアムから駅に戻るには、武蔵野樹林を通りますが、
樹林の一画では、チームラボの「どんぐりの森の呼応する生命」という常設展示アートが❝チラ見❞できます。
本来はチケットを購入して鑑賞するものですが、今回は通路から❝チラ見❞させて頂きました。
次回はしっかりとチケットを購入した上で、鑑賞したいと思います。
アパートに帰ってからもゴッホ展の感動が収まらず、
充実感にずっと包まれた有意義な❝お一人さま❞の休日でした。
ちなみに、角川武蔵野ミュージアム・グランドギャラリーで開催されております「ファン・ゴッホー僕には世界がこう見えるー」展は2022年11月27日(日)までとなっております。
【文中の参考サイト】
・「ファン・ゴッホー僕には世界がこう見える—」角川武蔵野ミュージアムHP
・「チームラボどんぐりの森の呼応する生命」チームラボHP