「独身生活にメリットがある」と考えている独身者は8割以上
40代で独身の私の生活や仕事をコラムにして綴っておりますと、他の方が書かれた「独身」というキーワードが入っております記事には自然と目がいきます。
最近気になりました記事のタイトルは「独身はメリットが多い!」でした。
なるほど、「独身はメリットが多い」と考えられている方もおられるのですね、
とまずは素直に受け止めてみました。
(私自身が、統計によれば40~44歳の女性で結婚されていない方の割合は21.3%と世間的にはマイノリティな属性を一つ抱えているようですので、日頃から多様な考えを受けとめていく姿勢を大事にしています。)
「独身はメリットが多い」の「メリット」の中身について、国立社会保障・人口問題研究所が独身者を対象に調査をしています。
まずは「独身生活にメリット(利点)がある」と考えている独身者(未婚者)は、
「メリット(利点)があると思う」女性88.7%、男性83.5%、
「メリット(利点)はないと思う」女性9.5%、男性13.8%、
と8割以上の独身者が、独身生活にメリットがある、と考えられているようです。
私と同世代の40代で独身の方々について見てみますと、
「メリットがあると思う」女性81.1%、男性73.6%、
「メリットがないと思う」女性15.8%、男性22.5%、
と全体と比較しますと「メリットがある」と考えられている独身者は少なくなっておりますが、
それでも40代で独身の女性の8割以上が「独身生活にメリット」がある、と考えられているようです。
そうなのですね…。
なるほど、調査結果から、独身生活にはメリットがあると多くの独身の方々が考えられておられる現状が分かりました。
独身生活には「メリットはない」と考えている独身者は、この調査結果だけ見ますと少数派のようです。
最も大きな「独身生活のメリット」は「自由な行動や生き方」ができること。
つぎに独身者が「独身生活のメリット」と考えていることを見てみますと、
・「行動や生き方が自由」女性75.5%、男性69.7%、
・「広い友人関係を保ちやすい」女性25.8%、男性17.3%、
・「家族を養う責任がなく気楽」女性19.8%、男性26.7%、
・「金銭的に裕福」女性16.2%、男性25.2%、
・「現在の家族との関係が保てる」女性10.6%、男性3.4%、
・「職業をもち社会との関係が保てる」女性9.8%、男性2.8%、
・「住環境の選択肢が広い」女性6.0%、男性6.3%、
・「異性との交際が自由」女性4.9%、男性7.2%、
といった内容がメリットと考えられているようです。
「独身生活のメリット」につきましても、やはり同世代の40代独身の方々の回答を見てみますと、
・「行動や生き方が自由」女性71.5%、男性63.2%、
が40代独身の方々にとっても、独身生活の大きなメリットであることは変わらないようです。
続いて、
・「家族を養う責任がなく気楽」女性18.7%、男性27.9%、
・「現在の家族との関係が保てる」女性15.6%、男性6.0%、となりまして、
全体では、2番目に多かった「独身生活のメリット」にあげられておりました、
・「広い友人関係を保ちやすい」女性14.1%、男性6.8%
については40代では、10ポイント以上も回答率が下がっております。
とくに40代独身男性の「広い友人関係を保ちやすい」の回答が大きく下がっていることが分かります。
「独身おじさん友だちいない問題」がここでも数字として表れているような気がします。
(私の「友だちいない問題」はここに書かせて頂きました。「『独身おじさん友だちいない問題』、私は友だちの『幸せ』を素直に喜んであげられなかったことで『友だちがいなく』なりました。」)
孤独な私は「自由な生活」をメリットとは思えません。
年代を問わず独身の多くの方々が「行動や生き方が自由」であることを、
「独身生活のメリット」にあげられていることが分かりました。
もし私がこの調査に回答しておりましたら、
「独身生活のメリット」は「ない」と答えたと思います。
多くの独身の方々が「メリット」にあげられておりました、
「行動や生き方が自由」につきましては、
30代の頃からずっと孤立した生活を送って来ました経験から、
たとえ誰かと生きる煩わしさがあったとしても、
「一人で自由に生きる」虚しさの方が、
人生にとっては辛いことだと私は思います。
20代後半からはパートナーもおらず、友だちとも疎遠となり、
一人アパートで生活することは、完全に「自由」ではありましたが、
そこには「何のために生きているのか」が分からなく生活がありました。
何の目標、目的を持つことなく、月曜日から金曜日まで働く日々は、
「生活するため」に「働く」と理解しておりましても、
では、
「何のために生活をするのでしょうか」、
の答えを見出すことはありませんでした。
その意味では、40代で孤独な独身の私にとっては、
「何のために自由に生きるのでしょうか」の問いも難問といえます。
私には「自由」になって「やりたいこと」が「ない」からです。
私は「自由な生活」からは積極的な「生きる意味」を見出せませんでした。
「ないものねだり」とは分かっておりますが、
孤独な私にとっては、
「誰かのために何かしてあげる」という「役割」を担っている方が、
誰からも、何も期待されることのない「自由」な人生よりも、
ずっと幸せな人生だと思うのですが。
私には、明日も、明後日も、1週間後も「自由」な時間が訪れますが、
そこには「何のために明日、明後日、1週間後を生きる意味」を、
「生活するために働く」といった消極的な意味以上のものを見出すことは難しいのです。
同世代の多くの独身の方々が「独身生活にメリット」があると考えられていることに、
少し驚いております。
孤独な私は煩わしくても、「自由」を失っても、
「誰かのために」生活をしたかった、と今では思っております。
【文中の参考・引用文献】
・「現代日本の結婚と出産―第15回出生動向基本調査報告書―」国立社会保障・人口問題研究所(2017)