Column理想的なwork同じ仕事を続けている間は、いつまでも賃金が上がることのない限定社員の私、「老後の資金」枯渇を回避するためにやるべきことを考えます。

同じ仕事を続けている間は、いつまでも賃金が上がることのない限定社員の私、「老後の資金」枯渇を回避するためにやるべきことを考えます。

「このまま行ったら危うい」と気がつけられたなら、何かしらの「行動」を起こしたいものです。

私の「仕事」と「賃金」。「職務給」と「職能給」の異なる賃金体系。

私は大学を卒業して社会人の第一歩目は、非正規雇用の派遣社員として踏み出しました。
派遣社員の私に任せられた仕事は、社内から集められた各種データを定められたルールに則って入力する業務でした。

私と同じ派遣会社から派遣されておりました❝先輩❞もおりましたが、私と同じような仕事を隣の席で行っておりました。
ただ私の❝先輩❞は1年程で、派遣契約を更新せず、別の会社に移って行かれました。

❝先輩❞が別の会社に移られる1日前には、❝次の❞派遣社員が来られ、「引継ぎ」を行い、
❝先輩❞と交代で、私の❝後輩❞が隣の席で仕事をするようになりました。

私の行っている仕事も、❝先輩❞が行っておりました仕事も、
1日で引継ぎが終わる程度の仕事なのです。
誰かが辞めれば、「補充」すれば済むような仕事なのです。

私の派遣契約は6カ月間でしたが、更新、更新を重ね、新卒者から数えて10年以上契約を更新し続けることになります。

派遣契約は数え切れないほど更新されましたが、
仕事の内容は、最初に派遣された頃と変わることはありません。
私は、データ入力という「業務」に基づいた労働契約・派遣契約の下で働いていたのです。

私は、データ入力を行う「業務」を1時間当たり1,200円で、6カ月間の契約を結んでおりました。
6カ月目を迎えようとする1ヵ月前には、
データ入力の業務を1時間当たり1,200円で行う契約を、
派遣先から契約更新の希望が出された場合(に限り)、
私に「このままの契約」で働くかどうかの選択権が与えられることになります。

私は結果的には、2000年代前半にはじめて結んだ派遣契約のまま、
十数年間も契約の更新を重ねましたが、
派遣先から「更新しない」と判断されることで契約は無くなることもありますし、
私の方から「更新しない」と言うこともできました。

私は新卒者の時点から、
長期雇用を前提として、さまざまな教育訓練を受けさせ、その時点の職務遂行能力に応じて、難易度の異なるさまざまな業務に挑戦させる見返りとして、賃金が上がっていく人事制度(=職能給)ではありませんでした。

私の場合は、決められた業務を、決められた賃金水準で行う、「職務給」で働いておりました。

雇用形態が派遣社員でありました私は、
新入社員でも行える程度の「職務」を1時間当たり1,200円で行うという労働契約のまま、
40代まで続けてしまった、といえます。

これは自分で選んだことでもあります。
「職務給」がベースの派遣契約のままでは、同じ仕事=同じ職務を行っている内は、賃金が上がらないことは理解しておりました。

私が置かれておりました雇用ルール、賃金ルール、業務・仕事に関するルール、すべて理解した上で、私が「動かなかった」「行動を起こさなかった」、つまり自分で選択した、ということなのです。

私がこれから取るべき「行動」

さて、このような「過去」はさておきまして、
私は理想的な仕事についても模索したいと思っています。

現在は派遣社員の頃に行っておりました業務をそのまま引き継ぐ形で、「限定社員」として働いております。
「限定社員」とは、派遣先だった企業と直接雇用契約を結ぶようになったということだけで、
私に与えられた「業務」と賃金水準は、派遣社員の頃とほとんど変わりません。

やはり同じ「業務」を何年続けたとしても、賃金は❝自然に❞上がることはありません。

「職務給」のルールに従い、賃金を上げたい場合に労働者ができることは、
今よりも「難しい職務」=賃金が高い職務に就くことですが、
残念ながら、「今の会社では」限定社員に与えられる仕事(もしくは挑戦できる仕事)で、
賃金が高くて、難しい仕事は存在しません。

賃金が高くて、難しい仕事は、長期勤続を前提とした人材育成プログラムを施された正社員に与えられるのです。

(派遣社員や)限定社員に会社として担って欲しい業務は、
教育訓練費を掛けずに済む程度の仕事と予め想定されているのでしょう。
私がもし望んだとしても、現在よりも賃金水準の高い仕事を、今の会社において担わせて頂ける可能性はとても低いといえます。

となりますと、私が「老後の資金」を貯蓄するために、今よりも賃金水準を上げるためには、
今の会社に留まり続けるのではなく、
別の会社に移ることが求められそうです。

先日、「老後の資金」について考えてみましたところ、
独身で、一人アパートでの生活を続けるためには、貯蓄額が少し足りなくなりそうです。
今と同じような生活を送ろうとしますと、今の貯蓄水準では71歳の時に「老後の資金」が枯渇してしまいそうなのです。
(詳しくはここに書かせて頂きました。「独身アパートで一人暮らし、しばらくはこのままの生活が出来そうですが、❝老後❞の「お金」が気掛かりなことも。『老後の資金2,000万円必要問題』に思うこと。」)

「就職活動」は大学生以来です。
「就職活動」にはとても苦い思い出しかありません。

それでも自分の人生を意義深く、愉しいものすると決めましたので、
何とか「動いてみる」努力はしたいものと思います。
(すぐに「動ける」ほど甘いものではないことは「就職氷河期」に嫌というほど経験させて頂きました。)

学生時代に行いました新卒者としての就職活動の際は、
「周りが」良く見えていなかったことも事実です。

働くということ、雇用形態、業種・業界、賃金水準、福利厚生、教育制度、評価制度などなど、
大事なことが見えておりませんでした。

これから少しずつ学びながら、「動く」ための準備運動を始めたいと思います。

自分のために「動く」準備。「働くこと」について学ぶこと。

まずは私の「老後の資金」不足の問題が明らかになってきましたので、
「賃金」について少しずつ学んでいきたいと思います。

厚生労働省の調べによりますと、
40~44歳の、
「正社員・正職員」の平均月収は34万1千円、に対しまして、
「正社員・正職員以外」の平均月収は21万円、となりました。

「正社員・正社員以外」の平均月収21万円は、ちょうど私の賃金水準と同じです。

勤続年数と能力で賃金水準が上がっていく「正社員・正職員」の平均月収は34万円と、私の賃金よりも10万円以上高いことが分かります。

ちなみに、
「正社員・正職員」、55~59歳の平均月収は39万3千円と、
40~44歳の平均月収よりも5万2千円上がっています。

一方で、「正社員・正職員」、55~59歳の平均月収は21万円と、
40~44歳の平均月収とまったく変わっていません(上がっていません)。
私の賃金もこれから10年働いたとしても「変わらない」(上がらない)ことでしょう。

賃金が年齢とともに「上がる」のは、職能給である正社員のみ、ということがここからも分かります。

次に、どの「業種」に移ることで賃金が高くなる可能性があるのかを見てみますと、
男女、年齢の平均月収の高い業種としては、
「電気・ガス・熱供給・水道業」41万9千円、
「学術研究、専門・技術サービス業」38万6千円、
「金融業、保険業」38万3千円、
「情報通信業」37万3千円、
「教育、学習支援業」37万3千円、
「不動産業」33万3千円、
といった順番になるようです。

業種によっても賃金の差があることが分かります。
学生時代は「お金」のことはあまり企業選びの材料とはしておりませんでした。
生活を守るためには本当は働くことと「お金」は大事なことだったと、あとから気づかされました。

40代の私ですが、今の時点から「老後の資金」までを見据えて、
理想的な生活と仕事を模索していきます。


【文中の参考・引用文献】
・「令和3年賃金構造基本統計調査結果の概況」厚生労働省(2022)

Author's Profile

プロフィール

学生時代に想い描いていた人生は、自分の社会的な存在価値を表してくれるような❝しっかりとした❞会社に就職して、20代で結婚し、30代で家族に恵まれ、子育てや家庭生活と仕事を両立させる、そのような「理想的」な生活。 しかしながら、現実は、「理想」とは程遠く、新卒者として臨んだ就職活動に❝失敗❞し、非正規社員として社会人をスタートし、学生時代からのパートナーと別れ、友人たちとも疎遠となり、20代後半から「孤立」し始め、30代はずっと「孤独」な生活を過ごすことに。 「孤独」の痛さや、孤独の中で毎日働く「虚しさ」を10年以上経験する。 40歳で「前向きに」生きることを決意し、カウンセラーの資格を活かし、自分と同じような「孤独」と「仕事」に不安と悩み、虚しさを抱えた方々に、ナラティブ・アプローチ(『語り』を通じた問題解決)を用いて、寄り添う活動を行っている。

よく読まれているColumn

ColumnTag