学生時代に思い描いていた「普通」の生活、今の「現実」
私は大学進学を機に、18歳で親元を離れ、一人アパートでの生活を始めました。
大学卒業後、社会人になっても学生時代と同じアパートと住み続け、20年以上が過ぎました。
学生時代とほとんど模様が変わらないアパートの一室で、
変わったのは40代となった私の容姿くらいでしょうか。
学生時代に漠然と思い描いていたのは、今の生活とは違っていました。
学生時代に思い描いていた人生は、
学校を卒業して、普通に就職して、
普通に一生懸命に働いて、
20代後半には結婚して、家庭を築き、家族が増えて、
ローンを組んで家を建てて、
そこを終の棲家として家族と過ごす、
そんな「普通」な人生を思い描いていました。
実際の私の人生は、
学生時代に就職活動をするも失敗し、
派遣社員として働き始め、
自分の仕事を卑下して、周りに心を閉ざしてしまい、
学生時代からのパートナーと別れ、
自分の孤独で寂しい生活と対照的な友だちの「幸せ」な姿に、
耐えられず、つよく嫉妬して、
友だちからも距離を取るようになり、
元々勤務先では親しい人は一人もおらず、
気がつけば、
40代で、独身で、「友だちのいない」孤独な私になっていました。
このような現実をすべて受け入れ、
それでもなお、人生を愉しくしようと活動しています。
私は現在40代。
30代のほとんどは記憶が残っていない位ひきこもり生活を送っておりました。
30代の10年間は本当にあっという間に過ぎ去っていきました。
「何も意識しないで漠然と生きる」ことの寂しさを感じます。
65歳以上で一人暮らしの方を対象とされました調査から見えてくる私の未来
先日、65歳以上で一人暮らしの方を対象とされました意識調査を目にしました。
この65歳以上で一人暮らし方の意識調査では、
「幸福感、不安に関する事項」、「人とのつきあいに関する事項」、「将来の準備に関する事項」、「楽しみに関する事項」などを聞かれています。
私は今は40代で一人暮らし。
あと20年程で、この調査対象とされました65歳以上で一人暮らしが見えてきています。
さて、私の少し先の将来は、調査に協力されました65歳以上の方々と同じような生活をしているのでしょうか、それとも違った生活を送っているのでしょうか。
私にもやがて訪れる65歳で一人暮らしの生活。
理想的な生活を模索する私としては、自分の近い将来のモデルとして参考にさせて頂きたいと思います。
調査によれば、
65歳以上で一人暮らしを行う方で、
私のように一度も結婚をしたことがなく一人暮らしの方は15.5%(未婚で一人暮らし)、
最も多いのはパートナーとの死別で一人暮らしの方で61.7%、
パートナーと離婚されて一人暮らしの方も20.7%、のようです。
一度も結婚をしたことがなく一人暮らしの方は、案外少ないことを気づかされました。
一人暮らしなった年齢では、
私のように大学進学を機に一人暮らしを始め、それ以来ずっと独り暮らしの方は3.9%(19歳以前から一人暮らし)と、とても少ないようです。
多くは60代から一人暮らし(30.8%)、または70代から一人暮らし(22.6%)のようです。
なるほど、19歳以前から一人暮らしは少数派のようです…。
65歳以上で一人暮らしの方の「幸福度」は10点満点中「6.59」
次に、「現在の幸福感」について「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点として尋ねたところ、
平均点は6.59点となったようです。
私の参考とすべき65歳以上一人暮らしで一度も結婚をされたことのない未婚の方の幸福度を見てみますと、
未婚で女性の幸福度は6.55点、
同じく男性は5.52点、となったようです。
ここからは、未婚のまま一人暮らしで65歳以上となったとしても、
女性の場合の幸福度は、平均値とあまり変わりがないことが分かりました。
一方で、男性の場合は、未婚のまま一人暮らしで65歳以上の方の幸福度は、
平均値からは下がってしまうようです。
「幸福度」に関しましては、女性と男性とでは差がでているようです。
未婚のまま一人暮らしの女性で幸福度「0~4点」と低い点数を付けた方は7.2%と1割に満たない割合でしたが、
男性で未婚のまま一人暮らしの方の幸福度「0~4点」とされた方は21.8%と、女性の回答率の3倍近くとなりました。
男性の一人暮らしの方が、女性の一人暮らしよりも「幸福度」を感じることが低いことが伝わってきます。
ちなみに、40代で未婚、一人暮らし、「友だちなし」の私の今の「幸福度」を0点~10点で評価すると、「7点」となります。
独りでも、自分の人生に意義と愉しさを見出そうと「動き」だしてから「幸福度」の点数は上がったような気がします。
もし30代、一人暮らし、ほぼひきこもりの時点で「幸福度」を評価したら、
「2点」…くらいだったと思います。
「自分の現在の状態は価値がある」と9割近くの方が捉えているようです。
また別の質問では、「自分の現在の状態は、まったく価値のないものと感じますか」と尋ねています。
「まったく価値のないもの」と答えられた方は11.6%となり、
一方で「全く価値のないものとは感じない」(=自分の現在の状態は価値がある)と答えられた方は88.4%となったようです。
65歳以上で一人暮らしの方の9割近くは「自分の現在の状態は価値のあるもの」と捉えられておられるようです。
そして、私が参考にしたい、65歳以上一人暮らしで未婚の方の回答ですが、
「自分の現在の状態は、まったく価値のないもの」と捉えている女性は5.4%、男性は14.3%となり、
女性に関してはほぼ100%に近い方が、「自分の現在の状態は価値がある」と思われているようです。
年齢がいくつであっても、一人暮らしで未婚であろうと、
「自分の人生は価値あるものだ」と多くの方々が考えられておられるようです。
私もそう思います。
私も65歳以上になっても「自分の人生には価値がある」と思える生活を送りたいものです。
「喜びや悲しみを分かち合う相手」は私には「あてはまる人はいない」。
次に「人とのつきあいに関する事項」の中では、
「喜びや悲しみを分かち合う相手」はおりますか、の質問に対して、
喜びや悲しみを分かち合う相手として最も多かったのは「子」で42.4%、
「友人」が26.9%、「兄弟姉妹、親戚」が16.5%となり、
喜びや悲しみを分かち合う相手は「いない」も19.0%となりました。
「喜びや悲しみを分かち合う相手」はおりますか、の質問は、
いずれ65歳以上となる私にとって避けることのできない事柄でもあります。
65歳以上一人暮らしで未婚の方の「喜びや悲しみを分かち合う相手」を見てみますと、
女性は、「友人」37.8%、「兄弟姉妹・親戚」41.4%、「あてはまる人はいない」18.9%となりました。
男性は、「あてはまる人はいない」48.7%、「友人」17.6%、「兄弟姉妹・親戚」13.4%でした。
結婚をしたことのない未婚の方の回答では、「子」を分かち合う相手とすることはできないため、
「喜びや悲しみを分かち合う相手」としては、「友人」や「兄弟姉妹・親戚」を分かち合う相手としてあげられる方が多いことが特徴となります。
「友人」や「兄弟姉妹・親戚」に関しましては、
男性は、女性に比べて大幅に「友人」や「兄弟姉妹・親戚」を「喜びや悲しみを分かち合う相手」にあげられる方が少なくなっています。
少し前に「独身おじさん友だちいない」のワードがインターネット上で話題となりましたが、この調査においても、男性が、女性に比べて「友人」関係を保ち難いことが表されているように思われます。
では、私が「喜びや悲しみを分かち合う相手」はおりますか、の質問に回答するとすれば、
「あてはまる人はいない」になります。
私には「喜びや悲しみを分かち合う相手」は40代の現時点でも「あてはまる人はいない」のです。
(詳しくはここに書かせて頂いております。「『独身おじさん友だちいない問題』、私は友だちの「幸せ」を素直に喜んであげられなかったことで『友だちがいなく』なりました。」)
「あてはまる人はいない」ことは悲しく、寂しいことではありますが、
いくら悩んでも、ふさぎ込んでいても、
誰も都合よく私に手を差し伸べてくれることはない、ことは30代で学びました。
この自分が招いた今の現実をすべて受け入れて、
これからの人生をいかに有意義なものにしていくかが私を動かす原動力なのです。
「何らかのグループ活動に参加しておりますか?」、私は「該当するものはない」
また40代独身一人暮らしの私にとって興味深い質問は、
「中年期(30~50代)に参加していたグループ活動は」でした。
65歳以上で一人暮らしの方が30~50代の時に参加されていたグループ活動としては、
「自治会や町内会」が33.1%、
「趣味の会やスポーツの集まり」29.3%、
「PTAや保護者会」15.9、
「同じ学校出身者の会やグループ」10.9、
「該当するものはない」40.0%、
となりました。
さらに未婚の方が30~50代の時に参加されていたグループ活動を見てみますと、
女性、男性ともに「該当するものはない」が最も多く、
未婚の女性の56.8%、男性で63.0%が、いずれのグループ活動にも参加していなかったことが分かりました。
未婚で家族のいない方にとっては(私にとってもですが)、
「自治会や町内会」に参加する方は少なく(女性で16.2%、男性で17.6%)、
「PTAや保護者会」に参加することはできないことから、
何かしらのグループに参加するには「趣味の会やスポーツの集まり」や「同じ学校出身の会やグループ」に「主体的」に参加することが求められるようです。
「趣味の会やスポーツの集まり」に30~50代の時に参加されていた(未婚の)方の割合についても、
女性は30.6%ですが、男性は14.3%と、
男性の方が低くなっていることが分かります。
ここでも独身40代一人暮らしの私が「参加しているグループ活動」を問われたとして、
回答としては「該当するものはない」になります。
未婚でアパートに一人暮らしをしている私にとっては、
「自治会や町内会」に参加することも、「PTAや保護者会」に参加することは求められません。
「趣味の会やスポーツの集まり」への参加は❝自分次第❞ではありますが、私にはこれといった趣味がありませんので、現時点では「趣味の会」への参加もありません。
(詳しくはここに書かせて頂いております。「独身40代の「孤独」の源泉~私の孤独はどこからやってきたのでしょう。」)
「自治会や町内会」、「PTAや保護者会」はもうこれから参加することはないと思いますが、
これから自分の気持ち次第で変えられることとしては、
「趣味の会やスポーツの集まり」への参加でしょうか。
とくに「趣味の会」への参加については、意義深く愉しい人生を送るため、
これから考えてみたいテーマだと思います。
「普段の生活でどのようなことを楽しみにしていますか?」、私の未来では「社会奉仕、ボランティア活動」であって欲しいと願っています。
この調査の最後の設問は「普段の生活でどのようなことを楽しみにしていますか」。
最も楽しみにしていることは「テレビ、ラジオ」で78.8%、
「仲間と集まったり、おしゃべりをすることや親しい友人、同じ趣味の人との交際」53.1%、
「新聞、雑誌」44.0%、
「食事、飲食」42.2%、
「散歩、ウォーキング、ジョギング」31.7%、
「旅行」30.5%、
「買い物」28.4%、
「読書」24.5%、
…
「社会奉仕、ボランティア活動」7.8%
となったようです。
私が65歳以上になった時の理想的な「楽しみ」は、
できれば「社会奉仕、ボランティア活動」でありたいと思います。
「テレビ、ラジオ」や「同じ趣味の人との交際」もきっと楽しいことだと思います。
ですが私は、おそらく今後も独りで過ごしていくと思われます人生の中で、
本当は「誰かの役に立ちたい」と心の底では思っているようです。
「誰かの役に立っている」と感じられる人生を、本当は望んでいるようです。
今は一人アパートに住み、とても希薄な人間関係の中で過ごしておりますが、
だからこそ、もし人生を意義あるものに変えていくならば、
その方向は「誰かのために役立ちたい」、
と密やかに思っております。
すぐには変えられない現実もありますが、
きっと「変わりたい」と思い、ほんの少しづつでも行動していくことで、
理想に近づいていけるのではないでしょうか、
そう淡い期待を胸に今日も過ごしています。
【文中の参考・引用文献】
・「平成26年度一人暮らし高齢者に関する意識調査」内閣府(2015)