Column理想的なlife一人で企画し、一人で行う文化的活動~角川武蔵野ミュージアム見学

一人で企画し、一人で行う文化的活動~角川武蔵野ミュージアム見学

自分の「不遇」を何年嘆き続けていても、都合よく誰も手を差し伸べてはくれない、それなら自ら動いてみる人生を。

独りの私が一人で休日に行きたくなる場所

独身40代の土日は原則一人です。
基本誰からも❝お誘い❞は頂けませんので、自分で企画して、意識的に活動しなければ、ずっとアパートの一室で過ごすことになります。
独りの人生を少しでも有意義で愉しいものにするために、私は❝努力して❞出掛けるようにしています。

40代が一人で出掛ける場所は少し気を使います。
20代の頃のように❝ただただ❞楽しい場所には、正直一人では行き難くなってきます。
私が思う❝ただただ❞楽しい場所とは、浦安や大阪にあるテーマパークです。

テーマパークは一人で行ってもきっと楽しいはずです。
ですが、まだ今の私にはテーマパークに一人で行って、アトラクションに一人で並ぶ勇気がありません。
もう少し年を重ねれれば、一人でも平気で列に並べるようになるとは思いますが…。

今の私が愉しめる場所は、
知的で文化的な香りのする場所です。

知的で文化的な雰囲気がする場所であれば、
一人で順番待ちをしていても、一人で見学していても、
周りから❝特別な❞目で見られることはありません。

そして、知的で文化的な雰囲気の場所は、
私に人生の意義を与えてくれる、ような気がします。

私に「40代」「独身」「一人暮らし」「限定社員」に加えて、
「知的で文化的なことを好む人」というアイデンティティを与えてくれる、ような気がします。

アイデンティティ=同一性、
他者から思われる「私さんは〇〇〇なのですね」は、
私にとっては大切です。
とくに独身の私にとっては、人間関係は希薄だとしても職場の人たちから思われている私の「アイデンティティ」(=同一性)は、今の私を形づくる上でも大切なのです。

「私さんは〇〇〇なのですね」に入る、
周りから見た私のアイデンティティ(=同一性)が、
「私さんは『40代』で『独身』で『一人暮らし』で『限定社員』という一面に加えて、
 『知的で文化的な活動を好まれる人』なのですね」と思われることで、
私は救われるような気がするのです。

自分の「不遇」を嘆く日々から、自分を、自分で救ってあげられるようになるまで

30代後半の頃は毎日、毎日、毎日…、
自分の「不遇」ばかりを嘆く日々でした。

自分の就職活動の時期が就職氷河期でなければ…、
とにかく正社員として内定さえ取れていれば…、
私だけ何で出会いがないのでしょうか…、
私だけ何で❝集まり❞に呼んでもらえないのでしょうか…、
なんで…、なんで…、なんで…。

長い間、嘆くことしかできない時間を過ごし、
気がつけば40代。
40歳の誕生日、一人の誕生日に、
自分の「不遇」を嘆いたところで、都合よく誰かが現われて、手を差し伸べてくれる訳でもなく、
自分で、自分を苦しめているだけだと気がつくことができました。

おそらく今後の人生も独りで生きていくしかないのでしょう。
であれば、
いつまでも自分の「不遇」ばかりを嘆いていないで、
独身40代の私が考える理想的な生活、
有意義で愉しい人生を探してみよう、
そう決意しました。

文化・芸術の香りが漂う「角川武蔵野ミュージアム」へ

先日は、
私がアイデンティティとして求める「知的で文化的な」場所、
「角川武蔵野ミュージアム」を見学してきました。

世界的な建築家の隈研吾氏の設計の建物は、
「知的な大人が観に行くべき場所」のイメージを掻き立ててくれます。

ミュージアムの4階の「エディットタウン」では、
2万5000冊のブックストリートを進んだ先、
高さ8メートルの「本棚劇場」に圧倒されます。

最上級の「知的で文化的な雰囲気」です。
「知的で文化的な雰囲気」に360度包まれます。
私が欲しているアイデンティティの一部をミュージアムが形づくってくれる思いがします。



一流の芸術家のみなさんが全身全霊を捧げて作り上げられたこのミュージアム、
私にはそのアートの意図を数パーセントも汲み取ることはできないかもしれませんが、
圧倒される程の「知的で文化的な」雰囲気を感じられただけで、
私の「活動」の目的は達せられたと思いました。

これからも一人で活動を続けていきたいと思います。

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プロフィール

学生時代に想い描いていた人生は、自分の社会的な存在価値を表してくれるような❝しっかりとした❞会社に就職して、20代で結婚し、30代で家族に恵まれ、子育てや家庭生活と仕事を両立させる、そのような「理想的」な生活。 しかしながら、現実は、「理想」とは程遠く、新卒者として臨んだ就職活動に❝失敗❞し、非正規社員として社会人をスタートし、学生時代からのパートナーと別れ、友人たちとも疎遠となり、20代後半から「孤立」し始め、30代はずっと「孤独」な生活を過ごすことに。 「孤独」の痛さや、孤独の中で毎日働く「虚しさ」を10年以上経験する。 40歳で「前向きに」生きることを決意し、カウンセラーの資格を活かし、自分と同じような「孤独」と「仕事」に不安と悩み、虚しさを抱えた方々に、ナラティブ・アプローチ(『語り』を通じた問題解決)を用いて、寄り添う活動を行っている。

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